ゲイがつらつらと書くブログ。

プラトニック・ラブ

今まで付き合ってきた人は
付き合う前に身体の関係があったが
唯一そうでなかった人がいた。

付き合った人としかしないと言われ
付き合ってから初めてしたのだが
結局私の不貞で別れ話になった時に

「あなたとのセックスは最悪だった
 全然気持ちよくなった」

と言われたのは生涯忘れないと思う。

 

下世話な話だが、
私は付き合う人の条件として
「セックスが飽きない」を挙げている。

他にも色々条件はあったりするのだが
長続きする要素のひとつとして
私の場合はこれがある。

 

私と友人はあまりそういった話はしないが
友人は当時付き合っていた彼氏と
セックスが無いことを悩んでいた。

正確に言えば、友人というよりも
友人の彼氏のほうが悩んでいた。

友人は性に対しては淡白なほうらしく
そこまで相手に求める訳ではないらしい。
が、彼氏のほうはそうではなく
どうやら悶々としているらしい。

そしてそれを言い出せないでいるらしい。

そんな友人の話を聞いて
「マジかよ」の声と共に私の頭の中で
価値観の相違という言葉が巡っていた。

 

「最後にしたのはいつなの?」
そうが聞いたのだが
友人の答は私にとって驚くべきものだった。

 

「そういえば、付き合ってからは
 ちゃんとしてないかもしれない」

 

私は二度目の「マジかよ」を発し
「付き合ってどのくらいだっけ」
と訊いた。

 

「半年以上経つかな」

 

三度目は飲み込んだ。

それは私にとっては苦行である。
付き合った彼氏と半年以上も
セックスが出来ないのである。

「彼氏は、したいっぽいんだけどね」

そりゃそうだろう。
年齢も友人より下のその彼氏は
おそらくそれなりに
性欲を持て余しているであろう。

「さすがにそこまで無いと
 彼氏も可哀想だよ」

大きなお世話を私は言った。

価値観は人それぞれとは言うが
価値観をあまり押し付けない私が
こんなことを言うのは
自分でも珍しいと思う。

私も30代半ばであるので
流石に20代のような勢いは無いが
衰えつつも未だ性欲はある。

 

「自分でも、相手しなきゃな
 とは思うんだけど、
 なかなか気分が乗らなくてさ」

難しい問題である。

嫌々相手をされるのも
彼氏としては不本意であろうし
乗らないままするのも
友人としては不本意であろう。

別にお互いが嫌とかではない。

好き同士なのに
恋人同士なのに
幸せになれないセックスもあるのだ。

 

それ以上私が干渉する権利も必要も
別段無かったので
この件に関しては触れないことにした。

 

なんのために身体を重ねるのか。

思い返せば私も
色々なセックスを経験した。

愛し合うためのセックス。
繋ぎとめるためのセックス。
忘れるためのセックス。
復讐するためのセックス。
何の意味も無いセックス。

抱く理由も抱かれる理由も
結局本人にしかわからないのだ。

友人がしない理由も
友人の彼氏が言い出せない理由も
私にはわからないし
わかろうとすること自体
それは私の傲慢なのである。

 

願わくば。
次に友人と彼氏がする時には。

お互いがしたくてしてたらいいなと
他人事ながら私は願った。

 

 

 

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