ゲイがつらつらと書くブログ。

はじめてのハッピーバースデイ

退職まであと2週間。有給消化もままならず徹夜に近い形で提案書を作らされ、作ってメールを送った挙句に何のレスポンスも示さず提案書の担当箇所を全く作っていなかった担当営業に憤りを覚え、ストレスに任せて甘いものを貪り筋トレもせずに寝た結果、翌朝体重計に乗って絶望した。ストレスに絶望が勝ったのか、甘いものの効果か、一晩寝たら幾分か気が楽になっていた私に、家族のグループLINEに複数の通知が入っていた。

「誕生日おめでとう」

仕事でいざこざしていてすっかり忘れていたが、そういえば今日は私の誕生日だった。

 

先週までは覚えていて、一人で過ごすのもなんだかなぁと思い、友人に来週ヒマ?と連絡したところ、「週末から1週間、海外に行ってくる」ということだったので私は一人で誕生日を過ごすことを決めた。

思い返せば、社会人になってから誕生日は誰かしらと過ごしていた気がする。多くは付き合っていた人と過ごしていたし、そうでない時にはその時つるんでいた友達と過ごしていた。今はお付き合いしている人も居なければ、仲良くつるむような友達も居ない。4月からの新しい職場での仕事が慣れたら、少しはアクティブになろうかと思っていたが、直近の誕生日に関してはこれといって対処を考えていなかった。誕生日に対して対処という言葉選びはどうかと思うのだが、私はあまり集団の中心になるのが好きではないし、大げさに祝って貰いたいというタイプではないのである。

仕事で2つの大学を掛け持ちして担当している私が、それぞれの大学で退職する旨を伝えたとき、私はいいですと言ったにも関わらずそれぞれの現場で送別会を企画してくれ、来週は2回も送別会をして頂くことになった。こういう時は、ありがたいという気持ちと、自分なんかの為に申し訳ないという気持ちが交錯し、昔の私だったら申し訳なさを前面に押し出していたが、最近は嬉しそうに喜ぶことにしている。好意に甘えるというわけではなく、その方が送別する側もやってよかったと思ってくれるからである。私も、誰かを祝ったり送別したりするときには、どうせなら喜んでもらいたい。

Twitterは誕生日を設定しておくと、当日トップページに風船が飛ぶ仕様になっている。誰かが風船を飛ばしていると、素直におめでとうという気持ちになる。が、私は風船を飛ばしたくないので設定していない。不特定多数におめでとうを言われるのは苦手だし、言って欲しい人に言って貰えなかったら悲しいからである。昔はTwitterでの交流を良くしていたが、今は顔出しもしていないネタアカウントになってしまっており半分botのようになっているので、botが誕生日をアピールしたところで困惑する人もいるであろう。元々は、当時付き合っていた人が呟く内容にイチャモンを付けてきたため、そこからネタしか呟かなくなってしまったという経緯があり、今更感はあるが、そろそろTwitterでの振る舞い方も変えていこうかなぁとなんとなく考えている。いつかは風船を飛ばしたいが、まだ飛ばす気にはなれない。

 

友人が海外に行ってしまったので、これはもう1人でケーキでも買って食べるしかないなと意気込んでいたところ、「平日夜なら時間がとれそうです」と食事の予定を合わせていた別の友達から「火曜日はどうですか?」とお誘いがあった。その友達は、何人か集まった中で何回か会ったことはあったが、私とマニアックな趣味が一致していたので、いつか二人で語り合えたらいいなと思っていた人であり、私から連絡をとった。友達以上の関係は私は今のところ求めてはいないし、求めてくるようなタイプではない人なので特に気にしていないが、もし求められたら断ることはしないと思う。

二人きりで初めて会う人に「今日は誕生日なんです」だなんて言うつもりはない。仮に私が言われたとして興味が無い相手だったら物凄く困惑するし、何か期待されてるのかと疑わざるを得ない。だから今日は何も告げずに楽しく趣味の話に興じるのである。誕生日くらい誰かと過ごしなよと神様が言ってくれたのだと思って、今日はその好意に甘えることとしよう。

 

そして私は、自分の中でだけ、自分のことを祝うのだ。

ハッピーバースデイ、私。

 

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